Apparel
この美しい地球を子供たちに残すために
ANYY
アパレルOEMで培ってきた経験を活かし、リサイクル素材を用いたオリジナルブランドを展開するANYY。
選び抜いた素材と共に想い描く、100年後の地球。
“美しい地球を子供たちに残したい”
そんな想いを、洋服とともに。
アパレルOEMで培ってきた経験を活かし、リサイクル素材を用いたオリジナルブランドを展開するANYY。
選び抜いた素材と共に想い描く、100年後の地球。
ここは、作り手の「こころ」が覗ける場所。
参加者
Eris 馬場
ANYY 青木さんご家族
– ANYY 陽子さん
ANYYは、スペイン発の”Ferre Yarn(フェレヤーン)”というリサイクルコットンを使用したアパレルブランドです。「オシャレを楽しみながらSDGs」をコンセプトにデイリーウェアを取り揃えています。
– Eris 馬場
本日はよろしくお願いします!
ご家族で会社の経営をされているんですね。もともとはどういった事業から始められたんですか?
– ANYY 泰江さん
はい、会社としてはOEMで百貨店ブランドなどに洋服を卸す事業を行っています。
ANYYは昨年11月から社内ブランドとしてスタートして、娘にはANYYの広報やブランディングをメインで担当してもらっています。
左から 稔さん(社長) 陽子さん 泰江さん
– Eris 馬場
洋服を作られていたんですね。
他社ブランドの洋服を作り続けている中で、どうして自社ブランドをはじめようと?
– ANYY 社長
OEMの会社って、非常に波があるんです。急にオーダーがストップしたりと、取引先の状況を直に受けやすい業態です。そのため「自分たち主導でも何かできないか。」という考えはずっとあったんですよ。私はアパレル業界に20年近くいるのでこの業界の難しさはわかっているんですが、今は昔より服が売れない時代で大変ですね。
– ANYY 泰江さん
これまで百貨店に洋服をたくさん卸してきましたが、同時にそれらが大量に廃棄されるのもみてきました。
作る側の責任として、この状況にずっともどかしさを感じていました。
社長がとことん探して見つけ出した素材(フェレヤーン)と、これまでOEMで培ってきた経験があったので、自分達にも何かアクションを起こせるのではないかと。
スペイン発のリサイクル糸”フェレヤーン”を使用
– Eris 馬場
素敵です。
個人も会社もそうですが、「自分たちにできること」をそれぞれが無理のない範囲で実践する、それが結果的に大きな流れを作ると思います。
OEMの経験があるとやはりスムーズにブランド運営はできているのでしょうか?
– ANYY 泰江さん
それが思っている以上に難しくて(笑)
納品ベースの仕事をずっとしてきて小売の経験がなかったので、お客さんにどのように商品や想いを届けるのか試行錯誤しながらやっています。
ポップアップの様子
– Eris 馬場
確かに小売は全く違うフィールドですもんね。
– ANYY 泰江さん
世代や性別関係なく着れるシンプルなデザイン、廃棄を出さないためのワンサイズ設計、リサイクル素材の説明など、ポップアップに来てくださるお客さんにはANYYの想いを直接お伝えすることができるので、今はそういった機会を多く作れるよう活動しています。
シンプルなデザインとワンサイズ設計
– Eris 馬場
文字での説明となると、知ることはできますが感じ取ることは難しいですからね。
– ANYY 陽子さん
今年初めて松坂屋でポップアップショップを出店したのですが、直接お話ししたうえで購入してくださる方が多く、自信に繋がりましたね。
単発のポップアップで終わらせないで想いを伝え続けていくことが大事かなと思っています。
また、大前提として忘れてはいけないのは、いくら自分達の想いを伝えるのが大事といっても、そもそもお客さんに気に入っていただける商品でないと意味がないので、機能性やデザインのアップデートは欠かしてはいけないなと感じています。
– Eris 馬場
環境にいいから、想いが込められているからという理由ではなく、純粋に商品が素敵だからという理由で選んで欲しいですよね。やっぱり実際に使っていただかないと。
フェレヤーンというリサイクル素材はどのように見つけられたんですか?あまり聞かない名前なので気になっていました。
– ANYY 泰江さん
取引先から環境配慮素材を使った商品の注文を受け、工場からいくつか生地サンプルをもらった時に見つけました。
タグがついていたので、なんだこれ!とネットで色々調べたところ、「これおもしろいじゃん!」って気に入っちゃって(笑)
1947年に生地からリサイクルコットン糸を作る技術を開発し、フェレヤーンの歴史が始まった。
– Eris 馬場
偶然の出会いでしたね。
環境に優しいこと以外に、通常の繊維素材との違いはどこにあるのでしょうか?
– ANYY 社長
リサイクル素材なので、どうしても綿だけではなくレーヨンなど他の生地も混ざってしまいます。ロットによって素材の混ざり具合が違うため、その影響で仕立てた時に綿くずが目立ってしまうものがあるんですよね。
通常2〜3割くらいは、いわゆるB品と呼ばれるものになってしまうので、現在は編み方を工夫しB品が出にくい方法で仕立てています。
– Eris 馬場
これまで洋服をたくさん作ってきた経験が活きてますね。
– ANYY 陽子さん
商品も一見してすごく綺麗で、綿くずもよく見ないと分からない程度なのですが、百貨店基準だと検品をクリアしないんです。
– Eris 馬場
基準が厳しいのは日本らしいですね(笑)
EUでは2030年までにリサイクル繊維の使用を義務付けたりと、流れができてきているので日本も順応していけるといいんですが。
– ANYY 陽子さん
お客さん目線でOKであればいいと思うのですが、基準が厳しすぎると売れる場所が限られてしまうのでもったいないなと思います。
– ANYY 泰江さん
基準を守るために環境に負荷を与えてしまうのは違うと思っていて、負荷を抑えつつ、容認できるところは容認していく方向に進んでいくといいですよね。
– Eris 馬場
私もそう思います。
泰江さんも、もともとアパレル業界で働かれていたんですか?
– ANYY 泰江さん
はい、私も長く携わっていました。
だからこそ、自分たちで諸々判断してやっていけるANYYは純粋に楽しいです。
どうしても大手アパレルブランドだと企業責任もあるため、基準が厳しくてできないことが多いですから。
– Eris 馬場
厳しい基準や企業責任を守るためにできないことがあるのは、もったいないというかもどかしい気持ちになりますよね。
– ANYY 社長
現行の基準もそうですが、今がよかったらいいよね、という考えでは将来必ずどこかでつまずいてしまいます。
未来への責任を持ち、将来に対して今我々ができることを具体的に落とし込んでいくことが大事ですね。
– Eris 馬場
無理のない範囲で、楽しみながら取り組んでいける土壌をみんなで作っていきたいですね。
最後になりますが、今後の展望や目標があれば教えていただきたいです。
– ANYY 社長
日本は先進国の中でも環境配慮にまだまだ疎い国だと思います。
ANYYの活動を通して多少なりとも皆さんにきっかけを与え、日常の生活が変わっていってくれるとうれしいなと思います。
– ANYY 陽子さん
サステナブルという言葉は、今でもまだ重く捉えられがちです。
そのため、サステナブルだから選んでもらうというより、シンプルに商品を気に入っていただき、日常の中で少しでもサステナブルなことをしているんだという幸せな気持ちを一緒にお届けできたら良いなと思います。
– ANYY 泰江さん
私も一人の消費者としてANYYの服を着ているのですが、人にも環境にも負荷を与えないものを身に纏っていると気持ちも明るくなるんです。実体験があるからこそ、そういった体験を皆さんにもして欲しいなと。着心地も、気持ちも、どちらもいいと思ってもらえるような商品を作っていきたいです。
– Eris 馬場
皆さん本日はありがとうございました!
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ANYY
アパレルOEMで培ってきた経験を活かし、リサイクル素材を用いたオリジナルブランドを展開するANYY。
選び抜いた素材と共に想い描く、100年後の地球。
– Eris 馬場
はじめに、ANYYがつくる「もの」について教えてください。